BUYERS' RECOMMEND|Vol.46
2024.08.07

BUYERS' RECOMMEND | あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.46:UNITED ARROWS

全国のセレクトショップバイヤーの目利きで選び抜かれたアイテムを、そのバイヤーのリアルなコメントと共に紹介する連載企画「バイヤーズ レコメンド」。Vol.46は日本のセレクトショップ を代表する存在のひとつ、UNITED ARROWS のメンズ部門でブランドディレクターとして活躍する内山省治さんがレコメンドするアイテムを紹介。

Text Takaaki Miyake

UNITED ARROWS

2019年にウィメンズブランドとしてスタートした人気ブランド Pheeta 。実はブランドを展開するのはセレクトショップを手がける UNITED ARROWS LTD. だ。同ブランドでは過去にも度々、取扱店の別注に応えてメンズアイテムをリリースしてきたが、2024年秋冬シーズンから本格的にメンズラインが始動する。今回はそんなデビューコレクションからのアイテムがリコメンドされた。

「Pheeta から待望のメンズコレクションが登場しました。これまでも UNITED ARROWS ではメンズの別注をお願いしてきましたが、インドをはじめとした伝統的なデザインや手仕事の良さを大切にしつつ、現代的なアップデートを加えたブランドとしての姿勢にとても魅力を感じていました。

男性服ではあまり見られないテイストということもあり、全ておすすめしたいのですが、今回はその中から刺繍使いが印象的なアイテムを選びました。

まずはインラインの中でも、特に手仕事の温もりが持つ力強さを体感できる“Paulaシリーズ”のシャツです。3色の糸を用いてグラデーションを表現したこのシャツはリバーシブルでも着用が可能で、共生地のパンツと合わせてセットアップでお楽しみいただくことが出来ます。

もう一つが刺繍シャツを作りたくて別注した一着。トラッドなアイテムとエスニックな要素をミックスしたら新鮮だなというイメージがありました。たとえばジャケットスタイルやきれいなウールのスラックスに合わせて、モダンかつ少しエキセントリックさを感じるスタイリングをイメージしていましたが、ぴったりのシャツが出来上がったなと思います」

2024年秋冬コレクションから始まる Pheeta のメンズコレクションでは、早速ブランドの得意とする希少な生産技術を駆使したアイテムを制作している。

セットアップに用いられた“Kantha”と呼ばれる刺繍技法は、着古した柔らかい綿のサリーなどを2枚重ねて縫い合わせ、ほころびを刺繍でつくろうインドでも古い工芸手法。そうした手仕事を活かした独特の風合いと表情、さらにリバーシブルという意外性も推すべきポイントだろう。

別注のシャツにはインド・ラクナウ地域に伝わる伝統的な刺繍“チカンカリ”を使用。丁寧に時間をかけて全体に施された手刺繍が、ほのかにエスニックな印象を与えてくれる。

Pheeta
Paulaシリーズ シャツ ¥93,500
Paulaシリーズ パンツ ¥94,600
UNITED ARROWS 別注シャツ ¥56,100

UNITED ARROWS
https://store.united-arrows.co.jp/
https://www.instagram.com/unitedarrows_official/

内山省治
UNITED ARROWS ブランドディレクター

1975年生まれ、福岡県出身。1997年にUNITED ARROWSへ入社し、原宿本店にて10年間セールスパーソンとして勤めた後、2007年よりバイヤーを担当。現在はUNITED ARROWS MEN’Sのブランドディレクターを務める。