あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.2:FREAK’S STORE、MANHOLE、After School編
ファッション業界の最前線で活躍するバイヤーの目利きに頼って選び抜かれたアイテムを、リアルなコメントと共にHONEYEE.COMが連載形式で紹介しようというこの企画。第2回目はアメカジとアウトドアのスペシャリスト FREAK’S STORE、スタッフの洋服愛が溢れる MANHOLE、新潟を代表する名店 AfterSchool からバイヤー3名が登場。
Text Takaaki Miyake
FREAK’S STORE

2020年9月に1号店かつ本店でもある古河店をリニューアル、今年4月には同店内にコワーキングスペースをオープンするなど、ますますその勢いが増している FREAK’S STORE。そんな FREAK’S STORE でバイヤーとMDを兼任する、天沼さんがオススメする一着をご紹介。
「BARBOURの定番モデル BEDALE を FREAK'S STORE らしくモダンなビッグサイズにアップデートしました。カラーはシンプルにブラックとオリーブの2色展開です。イギリス製のラインと同じチェック柄を裏地に使用した、オーセンティックな英国らしさも特徴的。
“アメリカ人が着るBARBOUR”をイメージしたので、US古着に見られるファティーグパンツや太めのチノとも相性抜群です!秋口はシャツやカレッジスウェット、冬はローゲージのニット、今シーズンはぜひハーフジップのニットと合わせてスタイリングをお楽しみください」
2021年にもリリースされた FREAK’S STORE による BARBOUR 別注。今シーズンは定番モデルの BEDALE がリラックスしたシルエットで登場。元々は乗馬用に開発されたこのジャケットは、サイドベンツとラグランスリーブ仕様を採用しており、今回は更に動きやすさが向上。ボリュームのあるニットなどをインナーとして合わせることも可能に。ノンオイルでべたつき感を気にする必要もなく、クラシックな装いながらも現代のライフスタイルにフィットした一着となっている。
BARBOUR 別注 BIG BEDALE ¥51,700
フリークス ストア渋谷
TEL:03-6415-7728

天沼佳久
FREAK’S STORE メンズ MD / バイヤー
中学時代からファッションにのめりこみ、アメリカの古着をベースに様々なヴィテージアイテムを収集を始める。独自の視点でアメリカを表現する The Beatles に感銘を受け、大学時代に短期渡英、ヨーロッパの文化も学ぶ。その後10年間、シューズブランドで販売やMDを経験し、2017年にデイトナインターナショナルへバイヤーとして入社。現在は FREAK'S STORE のメンズMD兼バイヤーを務める。
MANHOLE

青山・外苑前に位置するヴィンテージマンションの半地下に店を構えるセレクトショップ MANHOLE。店内にはデザイナーズブランドから本格シューズ、ドレスウェア、古着やヴィンテージまでが揃う。スタッフ3名全員で企画や買い付けを行なうという同店から、オーナーの河上さんが今期企画したイタリア製のハイゲージニットについて熱く語ってくれました。
「昨年のモックネックニットに引き続き、今年もトップメゾンのニット生産を手がけるボローニャのファクトリーとと共にMANHOLE企画のニットを作りました。
今回は28〜30ゲージのしなやかな編地、上品な光沢と軽やかさを備えたウールのハイゲージニットポロ。シャツの顔は襟周りの印象でほぼ決まるので、そのバランスに特に時間をかけてみました。まず3人の私物を年代問わずにかき集めてみたのですが、全員イギリスのオーセンティックなニットブランドが作る古いモデルが持つ雰囲気が好きということがわかりました。
時代によって襟の形が違うのは当然ですが、その雰囲気を表現するには単純に当時の襟型に近づけるだけでは何かが足りない。そこで試しに襟下がりを極端につけてみたところ、僕らが好きなバランスが完成しました。あとは各ディテールやサイズ感を指定して、信頼している工場の腕に委ねるだけ。
値段は全く可愛くないですが、満足しています。シンプルかつ渋い洋服、着る人それぞれが持つキャラクターの見せ所です。可愛くも格好よくもセクシーにも、いかがでしょうか?」
MANHOLE のスタッフ全員によるこだわりが込められた珠玉のハイゲージニット。自身らでディレクションする大胆なビジュアルが目を引くが、仏H社をはじめとする数々のメゾンのニットも手がけるファクトリー製、そのクオリティもお墨付きだ。色展開はイエロー、ライラック、ライム、トープ、オフホワイトというラインナップ。2022年11日中旬発売予定なので今からカラー選びに悩みそう、複数色買いもアリかも。
18finezza Knit polo L/S ¥63,800
MANHOLE
TEL:03-4283-8892
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3セントラル青山003号室

河上尚哉
MANHOLE オーナー / バイヤー
1989年生まれ東京都出身、現在34歳。くせ毛で右利き。趣味は釣り、特技は金管楽器。好きなお菓子は麩菓子で嫌いな食べ物は冬瓜。空いている時間は主に漫画を読んでいる。
After School

ファッションとカルチャーを通じて「ライフスタイルがアガルことを提案する学校」がコンセプト。なんともユニークなこのお店こそ、新潟市内にお店を構える After Schoolだ。放課後ついつい通いたくなりそうな名前の通り、様々なクリエイターとアーティストによるイベントやワークショップなどの“授業”も行う。この”学舎”でバイヤー兼スタッフの根橋さんにレコメンドを聞いた。
「デッドストックの生地を使用した、Midorikawa の花柄ショートブルゾンをオススメさせてください。ゴブラン織り独特のレトロで重厚感のある生地感とオーガンジーの装飾が魅力的で、エレガントかつ唯一無二な表情に仕立て上げられたアイテムです。
インサイドアウトの新しいアプローチがブランドのらしさを演出。フロントの大きな比翼、各所に施された大振りのスナップボタンもデザインとして完成されていて、まさにデザイナーのアーティザナルな思考が非常に反映されたピースと言えます。デッドストック生地を使っているだけに、希少価値の高さからも所有欲を掻き立てられます」
2017年春夏シーズンにスタートしたデザイナー 緑川卓 が手がける Midorikawa から、デッドストックの生地を贅沢に使ったショート丈のブルゾンが登場。デコラクティブな柄やディテールが目立つ一方で、シルエットやパターンはクラシックなメンズウェアの雰囲気が漂う。ワードローブへ加えるからには、長年着ていく中で表情を変えるそのエイジングも楽しめそうだ。
Midorikawa MD22AW-BL02A ¥127,600
After School
TEL:025-378-3895

根橋 雄一
After School スタッフ / バイヤー
1989年生まれ。After School ではバイヤーを兼任しながら、自ら店頭に立って自身がセレクトしたアイテムの魅力を伝える。姉妹店 CC のディレクションも手がけるなど、マルチに才能を発揮している。昨年父親となり、娘を絶賛溺愛中。