BUYERS' RECOMMEND|Vol.7
2023.01.25

あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.7:Graphpaper Aoyama​、BEAMS、Dice&Dice編

ファッション業界の最前線で活躍するバイヤーの目利きに頼って選び抜かれたアイテムを、リアルなコメントと共にHONEYEE.COMが連載形式で紹介しようというこの企画。第7回目は Graphpaper Aoyama​、BEAMS、Dice&Dice から3名の名物バイヤーが登場。

Text Takaaki Miyake

Graphpaper Aoyama

今やオリジナルブランドとしても絶大な人気を誇る Graphpaper だが、本企画にはギャラリーとしての機能を持つキュレーション型セレクトショップの Graphpaper Aoyama として登場。しかもアイテムを紹介してくれるのは、クリエイティブディレクターであり alpha.co.ltd. のファウンダーでもある南貴之さんというからには期待せずにはいられない。さすがのキュレーション力が光る一着から今回はスタート。

「カシミヤの中でもさらに上質なホワイトカシミヤを100%使用した、BODHI との別注モデルの天竺編みカシミヤTシャツです。度重なる試作を経てやっとプロダクトアウトまでこぎつけたインラインのアイテムをベースに、Graphpaper の定番アイテムである「S/S OVERSIZED TEE」のデザインフィロソフィーを投影しています。

一般的にウール天竺Tシャツとして市場に出回っているアイテムは、ウールのTシャツと言っても実際はナイロンのフィラメントにウールを巻きつけて、糸としての耐久性をあげているものが多いです。その一方で BODHI が製作したこのTシャツは、化学繊維を一切使用せず100%カシミヤ糸のみで編みあげています。

カシミヤの持つもっちりとした弾力や光沢が一目見ただけでも認識できる、上品な面構えとしなやかさを兼ね備えている一品にも関わらず、家庭での水洗いも可能なので、一般的なカシミヤの繊細なケアとは逆説的なイージーケアな面も特徴です

“究極の日常着”をコンセプトに据える BODHI らしい、日常に自然と溶け込む上質なプロダクトと、Graphpaper の体と衣服の間に余白を持たせるシルエットへのこだわりが融合した一着。季節を問わずにインナーから一枚着まで、デイリーに着られる極上のTシャツがここに誕生した。発売は2023年3月11日(土)とのことなので、販売開始を心待ちにしたい。

BODHI for Graphpaper “GP exclusive / BIG Extrafine cashmere Tee" ¥63,800

Graphpaper Aoyama

TEL:03-6418-9402

南貴之
alpha.co.ltd. ファウンダー

1996年にH.P.FRANCEに入社後、セレクトショップ CANNABIS などの立ち上げに携わる。2008年に個人としてalphaを設立し、1LDKの外部ディレクターとして活躍。2012年に株式会社alphaを設立後、国内外の様々なブランドのPRを手掛けるPR事業部、ショップのディレクションのみならず、ブランドのコンサルティング、空間デザイン、イベントのオーガナイズなどを手掛け、セレクトショップでありブランドとしてのGraphpaper、FreshServideを手がけている。

BEAMS

セレクトショップの草分的存在である BEAMS の数あるレーベルの中でも、創業と同時にスタートした BEAMS は原点とも言える存在。今回はお家芸のコラボレーションから、日本が誇るブランド同士にふさわしい、ファンにはたまらない“逸品”をバイヤーの梨本さんが紹介してくれた。

「神は細部に宿る。自分が商品を企画する際に格言としている言葉です。時計というアイテムは本当に細かいパーツの集合体であり、細部にまで妥協を許されないからこそ正確に時を刻む事ができます。今回特に気をつけたのが、日本はもちろん世界的な時計ブランドである SEIKO のアイテムをどう BEAMS らしくアレンジするかという点でした。

時間を確認する上で、今や時計は必ずしも必需品ではありません。しかし身に付けたくなる時計という点にフォーカスして企画を熟考しました。時間を確認するだけではない、アクセサリーとしても上質な物を。コーディネートのポイントとして、身に付けるだけでグッとレベルが上がるモノを企画したつもりです。SEIKO の品質を BEAMS 流にこなした別注のSEIKO 5SPORTS、是非皆様に手にしていただきたいアイテムです

フィールドウォッチとして高い人気を誇るFIELDシリーズ36mmのMサイズをベースに、ブラックにこだわった SEIKO との別注企画。ビジネスからカジュアルまで幅広いシーンやスタイルにマッチするダイヤルや針などのディテール、オールブラックながらもメタリックな表情のカラーバランスも憎い。

そしてグレースケルトンの裏ぶたに印字された“LIMITED EDITION”の文字とシリアルナンバーこそ、この数量限定コラボレーションの証。2023年03月上旬にデリバリー予定とのことだが、すでに予約販売は開始されているため、お早めのご予約を。

Seiko 5 Sports × BEAMS / 別注 フィールド ウォッチ ¥38,500
ビームス 原宿
TEL:03-3470-3947

梨本大介
BEAMS メンスカジュアル バイヤー

1997年に BEAMS へ入社後、アウトドアブランドのバイイングをしながらも小物への造詣が深く、アクセサリーの別注を数多く手掛ける。東京出身ながらプライベートでは屋久島にセカンドハウスを構え、二拠点生活を送るほどのアウトドア好き。

Dice&Dice

業界からも一目置かれる、言わずと知れた福岡の名店が1989年オープンのDice&Dice だ。玄人に好まれる同店からは、入社歴24年で現在はディレクターを務める吉田さんがレコメンダーとして登場。スタンダードなアイテムをカラーリングでアップデートした一着をご紹介。

「YAECA の代表的なアイテムであるステンカラーコートの中でも、最もミニマルなデザインのショート丈、かつ定番カラーではない新色のブラックをピックアップしました。身幅にゆとりを持たせたパターンとラグランスリーブも相まって、着用時のサイドからのAラインシルエットがとても美しく、マットなブラックカラーが洗練された印象です。

コーディネートとしてはオールブラックよりもネイビーやホワイトとの相性が良さそうです。襟やポケット口の角が他と比べて少しだけ丸みを帯びていたり、縫製も表からは極力見えない細かいディティールだったりが、シンプルながらも YAECA らしさが詰まったアイテムだと感じています」

YAECA と言えばシンプルながらも機能性に富んだ、まさにコンテンポラリーウェアブランドの代表的存在。そんな同ブランドのシグネチャーアイテムの一つが、このショート丈のステンカラーコートだろう。極限までミニマルなデザインに仕上げながらも、ハリコシのあるストレッチ生地を使用することで快適さをプラス。カジュアルからビジネスシーンまで幅広い活躍が期待できそうだ。

YAECA SOUTIEN COLLAR COAT / SHORT ¥59,400
Dice&Dice 
TEL:092-722-4877
info@dicexdice.com
www.dicexdice.com

吉田雄一
Dice&Dice ディレクター / バイヤー

1998年にアルバイト販売員としてDice&Diceに入社。以降は国内外のバイイングやブランドディレクションに従事し、現在ではバイイングからイベントの企画などまで包括的に Dice&Dice のディレクターとして手腕を振るっている。