BUYERS' RECOMMEND | あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.11:BEST PACKING STORE、UNEVEN GENERAL STORE、ELIMINATOR編
ファッション業界の最前線で活躍するバイヤーの目利きに頼って選び抜かれたアイテムを、リアルなコメントと共にHONEYEE.COMが連載形式で紹介しようというこの企画。第11回目は BEST PACKING STORE、UNEVEN GENERAL STORE、ELIMINATOR から3名の名物バイヤーが登場。
Text Takaaki Miyake
BEST PACKING STORE
目黒川沿いにお店を構える BEST PACKING STORE は、トラベルをコンセプトとして2013年にオープン。今年の9月で記念すべき10周年を迎える同店は、インデペンデントながらも海外からデザイナーも視察や買い物に訪れるほど。ディレクターとして、お店の肝であるバイイングも手がける青野さんから、春夏シーズンを先取りするレコメンドが届いた。
「SEEALL はデザイナー自身の勤勉さや人生における多様な経験と感性が、しっかりとコレクションに反映されています。個人的にも毎コレクションを楽しみにしているブランドです。このアイテムを見たとき、時代背景を遡るような感覚で服の歴史と伝統を強く感じました。
現代の日本のメンズファッション業界内に様々なジャンルが存在する中で、世界の歴史と伝統を感じ取れるストーリーがありながら、このクオリティに心を惹かれたのを覚えています。人間の手仕事が強く感じられながらも、アート作品のようにも感じました。サイズ感としては5分袖のリラックスフィットになります」
デザインとその先にある本質的な服のリアリティーを追求するブランド SEALLから、透け感のある軽やかな印象の5分袖シャツが登場。インド東部のベンガル地方に17世紀から伝わる、ジャムダニ織を駆使した細やかな手作業が光る。気温の高いエリアならではの薄い生地に装飾を施すという熟練の技術を、カジュアルに着られるオープンカラーシャツへと落とし込んだ。
SEEALL SS SHIRT JAMDANI ¥38,500
BEST PACKING STORE
TEL:03-5773-5586
青野隆一
BEST PACKING STORE ディレクター / バイヤー
2013年の BEST PACKING STORE 立ち上げから現在に至るまで、お店に関わることは何でもこなすというマルチなディレクター。個店の強みを活かした、ローカルでインディペンデントかつ、人との繋がりを大切にした展開を今後も目指している。
UNEVEN GENERAL STORE
Sasquatchfabrix. や NEEDLES、SUNSEA など、ひとクセもふた癖もある人気の国内ブランドを中心に取り扱う UNEVEN GENERAL STORE は、名古屋市内に姉妹店の UNEVEN GENERAL STORE HUB も展開する人気のストア。今回は店長として手腕をふるう川端さんが、オススメアイテムの魅力を存分に語ってくれた。
「暖かさも増してきて何を着るか悩んでしまう時は、さらっとTシャツの上に羽織れるシャツジャケットが良いかなと。気の利いたデザインというよりは、少しばかり目を引くアイテムですが、実は他のアイテムと合わせる際の引き算、足し算のバランスが良いアイテムです。
上品になりがちなレーヨンの表情にサックスブルーのカラーのネップを配置。ファンシーかつ、古着のような“こなれた感”があります。カットオフされた裏地や袖から垂れた紐のディテールが、どこかリアリティを持った着やすい印象を与えてくれます。
Midorikawa のアイテムはデザインだけでなく着心地も考えられているので、ほとんどのアイテムに裏地が付きます。ポケットの袋布にすら、上品なシャツに使う糸の細い生地を使用していて、デザイナーの着心地に対する思いが伝わってきます。おのずと手に取って、気付いたら着てしまっている。それがMidorikawaの服です」
Midorikawa で定番となりつつあるのが、この PAJAMA SHIRT だ。今シーズンはベーシックなホワイトのカラーリングに、サックスブルーのネップでアクセントを付けた。ゆったりとしたサイズ感のため、ライトなアウターとしてシーズンをまたいで活躍しそうだ。同デザインのパンツもリリースされているので、セットアップとして着るとより一層インパクトが増しそう。
Midorikawa PAJAMA SHIRT ¥68,200
UNEVEN GENERAL STORE
TEL:052-262-2525
川端一義
UNEVEN GENERAL STORE 店長 / バイヤー
名古屋市栄にある UNEVEN GENERAL STORE と西区 UNEVEN HUB STORE の2店舗を展開。そのうちの名古屋市栄のUNEVEN GENERAL STOREの店長兼バイヤーを務める。
ELIMINATOR
言わずと知れた代官山の名店 ELIMINATOR では、インディペンデントながらもハイレベルなコラボや別注アイテムを度々リリースしている。本企画2回目の登場では2023年3月22日(水)にリリースされたばかりのフレッシュなエクスクルーシブアイテムをご紹介。
「これまで幾度も bagjack とコラボレーションを行ってきましたが、今回は最もスペシャルな別注企画です。ブランド歴史上初のサイズのメッセンジャーバッグを特注し、2デザインを製作しました。最小サイズの KINKY より大きく、2番目に大きなサイズの POGO より小さい、13インチのPCがストレスなく収まる中間サイズ、その名も "KYGO"です。
『KINKY では13インチのPCを入れるのが窮屈で他の荷物が入らない。しかし、KINKY の次の大きさの POGO になるとバッグ自体が大き過ぎる』というサイズで悩まれていたお声を耳にしていたのが今企画のきっかけでした。程良いサイズ感で非常に使いやすい仕上がりになったと思います」
ベルリン発のバッグブランド bagjack と ELIMINATOR による最新コラボレーションは、優れた防水性と高い耐久性を特徴とする生地の X-PAC を採用し、ベルリンの自社工場でハンドメイドで製作するこだわり様。バックルはタフで重厚感のある COBRA とマグネット式で片手のワンタッチで開閉できる FIDLOCK の2パターンを用意。なお同シリーズからスマホストラップケースも発売済みなので、気になる方は要チェック。
X-PAC KYGO MESSENGER WITH FIDLOCK #ELIMINATOR SPECIAL VER. BLACKBAGJACK×ELIMINATOR
¥74,800 (左)
X-PAC KYGO MESSENGER WITH 25mmCOBRA #ELIMINATOR SPECIAL VER. BLACKBAGJACK×ELIMINATOR ¥76,780 (右)
野澤圭介
ELIMINATOR バイヤー / ショップチーフ
某老舗古着店バイヤーを経て2002年に ELIMINATOR でのキャリアをスタート。過去には JOHN LAWRENCE SULLIVAN ブランド初期のアクセサリーデザインを担当、さらには自身のブランド KUBRICK を手がけた経歴を持つ。UKファッションスタイルはもちろん、多くのブランドやアイテムの背景にある製作意図だけでなく、音楽やアートなど幅広いカルチャーにも造詣が深い。