COLLECTION NOTE|Vol.11 ATTACHMENT 2027年春夏コレクション
2026.07.18

"人と服と風と空間の関係"が生む、静謐なるコレクション

Text Takeru Yamanaka

2026年7月10日、ATTACHMENT(アタッチメント)が2027年春夏コレクションを発表した。東京において今シーズン最も早いショーとなる。

デザイナーの榎本光希が今シーズンの起点に据えたのは、街で見かけた"風にそよぐ布"の情景だ。「風を見せるコレクションにしたい」というその想いを映し出すように、ランウェイではシアーやテクニカルなテキスタイルが軽やかに舞い、見る者を魅了した。

会場となった東京・天王洲アイルの寺田倉庫は、白の布で装飾され、風を孕みながら揺らいでおり、清涼なムードが広がる。いつも装飾を抑えたシンプルな空間でショーを行ってきた同ブランドにとっては、新たな試みだ。

風を孕むルックと、こだわり抜いた素材使い

ファーストルックは、トラッカージャケットのデザインをシアーシャツに変換したオールホワイトのルック。落ち感のあるワイドパンツと共に、微かな風の動きと端正さを感じさせる。その後も、クワイエットでフルイドなルックが続く。

ホワイト、イエロー、赤茶といったアーシーカラーのアイテムには、テクニカルでリュクスな仕掛けを施した。それは同ブランドがこだわり抜いた素材使いによるものだ。綿糸にナイロンを巻きつけた糸を使用し、麻のようなシャリ感と安定性を生んだカットソーや、リネンとシルクをミックスさせたニット、そして国産デニム。

さらに、先シーズンにローンチした同ブランドのプレミアムラインのSTILL ATTACHMENT(スティル アタッチメント)では、フィラメントシルクとスパンシルクを交織し、美しい艶を生んだブルゾンやパンツを展開。加えて、オリジナルの100/3コットン糸(100番手の細い綿糸を3本撚り合わせた上質な綿糸)を用いてホールガーメントで編み上げたカットソーなども見られた。

美しさと実用性の両立

光沢や素材の表情作りだけでなく、使い手へのメリット提供を怠らないのもATTACHMENTならでは。安定性のある素材作りにより光沢さを失わないアイテムや、製品染めによるイージーケアアイテム、ウォッシャブルなレザーを襟にあしらった白のホワイトブルゾンなど、デザインと実用性を両立させた。

ルックのアクセントになるのが、リベットのディテールと、ネックに巻きつけたストール。「ATTACHMENTって、すごく装飾的なものを避けてきているというか、あの、何というか、人にアピールするような服ではない」と話す榎本。リベットについては、「人が、その人らしく見えることっていうのを大事にしているブランドなので、装飾的なことはやめていたのですが、あくまでも補強っていう意味で付けたリベットが、装飾にもなり得る」と話す。服作りで補強部分だけに用いたユーティリティデザイン。その実直さと、ストールが醸し出す優美さを融合させた。

ショーの数日後、展示会でコレクションの解説に臨んだ榎本デザイナー。今回の手応えを問うと、彼は満足そうな笑みを浮かべてこう語った。「今回は風や空間など、単純に人と服だけじゃない要素を意識して服作りをしました。そうした空気感まで感じていただけるショーになったのではないかと思います」。

その表情には、新たな試みをやり遂げた確かな充実感がにじんでいた。